はじめに
昨年年12月11日の新聞はIPS細胞を開発してノーベル賞を授与された山中伸弥先生の授賞式の報道で一杯だった。私も先生の研究内容と人柄に惚れて心から祝福を送った。特に記事により授賞式がベートーヴェンの「エグモント序曲」の演奏から始まったことを知り、久しぶりに私のCD(ノイマン指揮、チェッコ・フイルハーモニー、プラハ「芸術家の家」1994)を聴いて感動を新たにした。この曲はベートーヴェンの若い時の作品で、ドラムの低音を主体に最後はトランペットとともに激しいリズムで盛り上がってゆく私の大好きな曲である。
オーディオと共に
私のオーディオセットは図1のようにスピーカーはYAMAHAのNS-pf7を正面に、また図2のように同じYAMAHAのYST-SW1000をウーファーとして背面にセットし、プレヤーはPioneerのDV-600A、アンプはDENONのPMA-390SEでドライブするものである。 図1→
図2↓
スピーカーのコーンは直径が僅か45mmのマグネシウムのシングルコーンだが、周波数は150Hzから30kHzをカバーし、入力は最大50wattに耐えるという代物である。またウーファーは重量が50kgもあり、30Hzから150Hzまでをカバーしてコントラバスやドラムの低音をお腹まで響かせてくれる。2wayながらSACDも再生し、今のところ満足しているが、ここまで来るには様々な苦労があった。
スピーカーの自作にはまった
市販のセットに飽き足らず、ダイナミックスピーカーとキャビネット、静電型スピーカーまで自作を試みては捨ててきたのが私のオーディオである。終戦後のオーディオブームに乗って、ダイナミックスピーカーのフイールドコイルの巻き直しからダンパーの取り換え、静電型スピ−カーの自作、JBLの38cmウーハーを組み込んだ横幅1m,高さ2m,奥行60cmのキャビネット、開口が50cmx20cmの木製ホーンなどです。これらはすべて自宅を普請した際に捨ててしまって写真も残っていません。もちろん現状に満足はしていませんが、最近は私の耳も遠くなってきたので、技術屋としてのオーディオ趣味は捨てて、音楽から得られる感動を大切にする普通のオーディオ愛好家になっています。今の心境は芭蕉の「旅に病んで、夢は枯野を駆け巡る」です。
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